変的論

主に宗教・佛教・浄土門についてのささやかな見解

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

往生は得易し

元祖大師曰く、 成佛は難しと雖も往生は得易し。 小生曰く、往生は得易しと雖も安心は得難し。 他宗他教にては、信心とも信仰ともいうのであろうこれを、小生は安心と言う。まことに安心は得難し。これは存在の構造からくるものであり、如何ともし難いもので…

不足言

勅修御伝 巻五 あるとき上人月輪殿にして、山僧と参会のこと侍りしに、かの僧「淨土宗を立て給ふなるは、いづれの文によりて立て給ふぞや」と尋ぬるとき、「善導の観経疏の付属の文なり」と答へ給ふに、重ねていはく、「宗義を立つるほどのことになんぞただ…

帰依するということ

愚、案ずらく。帰依とは依存である。 依存症という言葉があるくらいで、依存という言葉に良い印象はないのだが、しかし、帰依とは、依存であると思うのである。 自帰依法帰依で言えば、自己に依存し、法に依存するということである。 浄土門で言えば、称名に…

理性と知性とについて

理性とは知性とは何か。改めて調べてみるとよく分からない。そこで簡単に定義付けてみる。即ち、理性とは善悪を判断する能力であり、また知性とは損得を勘定する能力である、と。 歎異抄に曰く、 善悪のふたつ、総じてもつて存知せざるなり。 つまり、浄土門…