変的論

主に宗教・佛教・浄土門についてのささやかな見解

2016-01-01から1年間の記事一覧

知情意

知情意というのは、哲学者のカントという人が言い出したらしい。 知性、感情、意志。この三つで人の精神が表せるならば、浄土の法門を領受するのもまたこの三つであろうと思われる。 信知 : 槐安国伝 心のぞみぞみと身の毛もいよだち、涙も落つるをのみ信の…

事象と解釈

言葉の使い方が間違っているかもしれないが、まあいつものことでもあり、思いついたので書く。 死というのは事象ではなく解釈である。事象としての命終を、一般的に死と解釈しているだけである。 浄土門では、その命終を死と解釈するのではなく、往生と解釈…

無条件の幸福

五濁悪時悪世界に生まれた悪衆生の身を不幸とするなら、浄土門の安心は幸福と呼べるだろう。そして浄土門の安心を幸福と呼ぶのならば、それは無条件の幸福である。特に何かと引っかけてあるわけではない。 幸福ということを考えると、世間的には、金銭的な、…

宗>教

おおよそ、宗教には二つあると思われる。一つには、教が宗である、教えそのものが宗である場合。二つには、教が宗を教え示すためのものである場合。 記号を以って表すならば、 宗=教 宗>教 である。 他教他宗は知らず、浄土門は、後者である。では、浄土門…

ドグマ酔い

思想に囚われてしまうことを、昔から教条主義とか原理主義とかいうらしいが、小生はこれを「ドグマ酔い」と名付けてみた。これにかかると、精神が柔軟性を失い、思考が定型化して、短絡した発言を成すようになるようである。月をさす指という言葉があるよう…

断絶と連続

佛と衆生との関係は、断絶と連続であり、浄土門においては二種深信として表される。 一者決定深信:自身現是罪惡生死凡夫,曠劫已來常沒常流轉,無有出離之緣; 二者決定深信:彼阿彌陀佛,四十八願,攝受衆生,無疑無慮,乘彼願力,定得往生。 以下小生の訓…

機法一体

機法一体とは何ですか? 浄土教における「機法一体」について 機法一体という言葉を知ったのは、安心決定鈔からだったと思う。 浄土門にあって、浄土門の色合いが薄いこの言葉によって、当時、神話的表現に多少の抵抗があった自分にとって、とても助かったの…