変的論

主に宗教・佛教・浄土門についてのささやかな見解

必得と定得

聖教の中の、特に善導大師の御釈にある、「必得往生」と「定得往生」とに違いがるのではないかと思いついた。「必得」がなんとなく未来のことを表しているような、そして「定得」が過去のことを表しているような違いがあるのではないかと思い、漢和辞典で「必」と「定」とを調べてみると、やはりというか、余程小生が読み違いをしていない限り、「必得」は時間的に未来を指してをり、「定得」は今一つはっきりしないが「必得」と区別してあるとすると、過去を表しているのではないかと思う。

 

つまり、「必得往生」とは、未来に必ず往生を得るのであり、「定得往生」とは、過去に定まりて往生を得ているのである。ただこの後者の場合、往生を得ているといっても小生は娑婆に生きておるわけであるから、すでに過去において往生を決定しているという意味になろうかと思う。

 

では過去とはどの時点を言うのかというと、弥陀成佛のその時より他にはあり得ない。

 

よって元祖大師曰く(引用先は徒然草、聖教の正確な文言はこちら)、

往生は一定と思へば一定、不定と思へば不定なり。

 

既に定まっているからである。

 

 

南無阿弥陀