後学相続之疑惑
思有後学相続之疑惑
後学相続の疑惑有ることを思ふに
ネット上にある幾つかの現代語訳を読むと、相続を相承の意味で訳してあるか、無視しているかのどちらかであり、これが不満である。浄土門で相続といえば、念佛相続の意味ではないのか、というのが素人の愚見である。
相続、という言葉は、遺産を相続する、受け継ぐといった具合に使われますが、この場合の相続は、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏とお念仏を絶やすことなく、称え続ける、ということになります。
決定の信なきゆゑに
念相続せざるなり
念相続せざるゆゑ
決定の信をえざるなり
また、「後学相続之疑惑」とこの前にある「先師口伝之真信」とは対句であって、
先師 - 後学
口伝之真信 - 相続之疑惑
というふうに対応しており、要するに、後学とは、歎異抄の著者より後の未来の念佛者のことであり、相続の疑惑とは、念佛申すについての疑いや惑い、疑問困惑のことである。
教えを受け継ぐとかいう意味はない、と小生は思う。