変的論

主に宗教・佛教・浄土門についてのささやかな見解

後学相続之疑惑

歎異抄

思有後学相続之疑惑
 後学相続の疑惑有ることを思ふに

 

ネット上にある幾つかの現代語訳を読むと、相続を相承の意味で訳してあるか、無視しているかのどちらかであり、これが不満である。浄土門で相続といえば、念佛相続の意味ではないのか、というのが素人の愚見である。

 

浄土宗の時間「法然上人のご法語」から

相続、という言葉は、遺産を相続する、受け継ぐといった具合に使われますが、この場合の相続は、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏とお念仏を絶やすことなく、称え続ける、ということになります。 

高僧和讃 - WikiArc 曇鸞和尚 釈文に付けて

決定の信なきゆゑに
 念相続せざるなり
 念相続せざるゆゑ
 決定の信をえざるなり

 

また、「後学相続之疑惑」とこの前にある「先師口伝之真信」とは対句であって、

 

    先師 - 後学

 口伝之真信 - 相続之疑惑

 

というふうに対応しており、要するに、後学とは、歎異抄の著者より後の未来の念佛者のことであり、相続の疑惑とは、念佛申すについての疑いや惑い、疑問困惑のことである。

 

教えを受け継ぐとかいう意味はない、と小生は思う。